パワハラくん養成マニュアル
明日の「パワハラくん」を目指す、若き戦士達に以下の文章を捧げる。
日々精進し、部下どもの情熱を蹂躙してやれ。
1. 努力を認めないこと
いやしくも「パワハラくん」たるもの、部下の努力を認めてはならない。
過去の案件を参照したり、必要知識を学習したりする行動を認めてはいけない。
「何してんの? 早くやってくださいよ」は、高く評価できる。
仕事の進捗を聞いたり、褒めるなど、決してしてはならない。
昭和根性と言われようと、部下の成長に目を向けず、 努力の結果をゴミ扱いするのが、正しい「パワハラくん」である。
また、「お前、社会人としておかしいよ」 と言って、自分に対する殺意を煽るのも有効である。
「社会人としておかしい」というフレーズが「パワハラっぷり」を効果的に表現している。
「原因を特定するには、何をすればいいと思う?」 と訊いてしまうと自己の教育性が現れてしまうので、「パワハラくん」失格である。
2. 情報を共有しないこと
客先の情報や業務の進捗など、担当職務を遂行するために必須の情報を知らせてはいけない。
案件フォルダや受領した紙媒体資料の場所も同様だ。
具体的なプロジェクト名や客先の担当者名も隠蔽するべきだ。
「昨日辞めてったあいつがやってた件」のように曖昧に伝えておけばいい。
反対に「ちょっと怒ったらすぐにやめてった」とか「あそこの受付かわいいよな」等の「どうでもいい情報」は、どんどん言ってやれ。
炎上案件の場合は、状況を正確に教えてはいけない。
「俺も知らね」とか「君が担当だろ」 等と具体的なことは何も教えないのが重要である。
また、自分が把握していることも具体的に伝えてはいけない。
今後の為の打ち合わせなどもってのほかである。
最悪の場合、それだけで炎上が解消してしまうこともあるのだ。
「いいから早くやれ。ここは学校じゃない」が理想的だ。
3.部下のメンタルを考えないこと
「パワハラくん」は、会社の癌である。
部下の健康を考えるようでは、パワハラくん失格というものだ。
以下のような行動が、望ましい。
部下に自分が社会のゴミであることを自覚させ、社会人としての振る舞いを強要する。
質問を禁じておくとさらに効果的である。
質問を禁じられた部下は、業務を遂行するのに通常の何倍もの労力を強いられる。
自分は罵声するだけで、部下に社会の厳しさを学習させることが 「パワハラくん」の真骨頂である。
マッチポンプも有効である。自分が有能であることを明確に示せる。
鮮やかにトラブルを解決する自分を見せ、「お前は何もできないんだよ」という事実を効率的に植えつけることができる。
もちろん、何をどうしたかなど共有してはならない。
それでは、単なる「部下の成長を願っている人」になってしまう。
それは、パワハラくんではない。「いいから早くしろ」だけで良い。
言われただけでは「何の業務に関する話」なのかが全くわからない言い方で十分だ。
自分の言葉を理解する努力は、部下にさせれば良いのだ。
とにかく、部下が健康的に業務を遂行できるように流れを整えてはならない。
暴力的で虐待的な態度が必須である。「ねぇ、俺さっきから待ってるんだけど?」など、 プロの仕事であろう。
最後に
言うまでも無いことだとは思うが、 辞めていく部下に労いの言葉を送るなど言語道断である。
せっかく「パワハラくん」を貫いてきたのに、最後にお礼を言っているようでは、 画竜点睛を欠いていると言わざるを得ない。
罵声だけ浴びせて、後はシカトが基本である。
上級テクニックとして、「お前なんてどこ行ってもダメだよ」とか、「最後までクズだったな」などと言って、 部下の神経を逆なでしておけば完璧である。
以上のことを踏まえて行動すれば、君も立派な「パワハラくん」である。
ビバ! 教えてクン! パワハラくんに栄光あれ!!
元ネタ
ネタですので真面目に考察しないでください(笑)
パワハラだと思えるところ、そうとは思えないところ、いろいろご感想があるかと思います。どこかで話題にしてくだされば幸いです。
こちらの元ネタは、2000年12月「KIKUMARU’s Technical Laboratory」というサイトの掲示板に投稿された「教えて君 養成マニュアル」のテキストです。現在はサイトが閉鎖されているようですので、原文が読みたい方はGoogle検索を頼ってくださいm(_ _)m
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