海辺モデルの「静寂」とは、「自分」と「社会性」が「脳」の影響を受けておらず、それぞれの適切な距離が保たれている状態である。端的に言えば「落ち着いている状態」である。
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社会性の模様が平均的であれば、津波がきたり浸水状態になったとしても、短期間のうちに海が引けば元の静寂状態に戻ることができる。
強すぎる津波が来たり浸水状態が長期間続いた場合は、社会性が破壊されたり、浸水した期間によっては、歪んだ社会性が形成されてしまうケースがある。その場合は復興が必要となる。
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発達障害者は浸水状態のまま活動しており、この静寂状態をほとんど体験していないまま生きていると考える。言葉を使うこと自体が浸水状態の増強になるからだ。
当事者がこの静寂状態になるには長期間、言葉を遠ざけるなどして浸水状態を解消し、社会性を平均的な模様に再形成する必要がある。
浸水の解消自体は1〜2ヶ月程度で可能だが、社会性の再形成には更に年月がかかるだろう。