小説を利用してアンガーマネジメントをした

 怒りの感情に関する話です。小説大賞は目指さなくなったけど、ゲストハウス生活時代に書いた作品の中にどうしてもちゃんと完成させたいものがあって、それが達成できるまで小説を頑張ることにしました。

 その作品は『夜行バスの人々』というタイトルでして、この物語には初めて会社員になった時の辛い体験を一部取り入れていました。ぶっ殺したいくらいに関係が悪化した当時の上司をモデルにした登場人物がいるのですが、数年前の出来事であるにもかかわらず、その時の怒りがこの頃になってもまだ鎮まっていませんでした。時には何も手につかなくなるほど怒りで頭が一杯になりました。

 特に就寝前に怒りが強まることが多く、睡眠時間にも影響しました。PTSD(心的外傷後ストレス障害)レベルだったのではないかと思います。一日に何度か、前触れなくそういう感情が頭に広がるのです。

 それがこの小説を書いている時は、怒りが湧かないことに気が付きました。理由を考えた末、『上司とのエピソードで抱えた感情は怒りも含めて、この作品の中でどう表現するか』という創作視点に変換されていたからだと思いました。

 この気づきをきっかけに、上司とのエピソードに限らず怒りを感じた時は、創作視点で考えてみるようになりました。感情の扱い方を変えたことにより、以前よりも建設的な話がしやすくなりましたし、ストレスを抱えてしまう機会も減らせました。

 今も温度の高い話をする時は建設的であることを心掛けています。物事の前後関係や話全体の構成を意識する感覚です。私は小説の取り組みを通してできるようになったことですが、他の人もなんらかの経験を通してできるようになったことであり、自分もわかるからこそ、他の人もこの姿勢を意識して維持していることがわかります。

 できない人が他人を巻き込んで、日常を滅茶苦茶にしていることを知っているからですね。

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