自分の限界を受け止め高校を中退した

 これを意識してやった取り組みに含めていいかどうか悩みましたが、当時の自分の意思で最良の選択という認識の上で決めたことなので、項目に挙げることにします。

 高校生活がそれなりに順調で、「もう普通の人になれた」という自覚を持てるようになった私は、高2からはそれまで普通の人という自重の上で意識していたことをやめ、自然体のまま振舞うことにしました。これで落ち着けたらまた勉強も再開したいと思っていました。

 その結果、高校ではなく地元にいる中学生の頃からの知人とトラブルを起こしてしまいました。相手は暴走族のメンバーで、トラブルの理由は私の失言でした。「友達だったら言っていいことと悪いことがあるやろ」と呆れられながら叱られました。相手の怒りは至極当然の感情であり、もう自分は大丈夫だと思い始めた矢先に、普通は言わないような失言をしてしまったことがとてもショックでした。

 この出来事をきっかけに生きていく自信を無くした私は、高校中退を決意しました。 万一、高校でも同じようなトラブルを起こしてしまったら、殺されるかもしれないという危機感があったからです。自分はその結末に進んでしまってもおかしくないと思いました。

 当時の感情は不安定でしたが、この選択は正しかったと思います。中退云々のことだけではなく、高校へ入学したことも含めてです。普通になれたかどうかを確認するには高校へ入学して実体験を積むべきですし、その成果が確認できた後は、より自分のレベルに見合う環境へさっさと移動するべきなんです。

 移動先となった環境は家業の飲食店でしたが、高校を中退してすぐに労働という環境に身を投じたことにより、同世代よりも早く、社会人として求められる能力と向き合うことになりました。我ながら厳しい判断だと思いますが、ハンディのある自分には、同世代と同じ足並みで卒業してからでは遅かったと思うんです。

 ただ、私は高校中退というハンディを抱えることになりました。40歳になった今では「通信制高校へ行っていればよかった」と思うことも多いです。高校卒業の資格を大人になってからとるのはものすごく大変なことなのです。

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