希死念慮は牛丼大盛りを食って相殺した

 本書に含めるかどうか迷ったのですが、希死念慮も発達障害が陥りやすい精神状態だと思うので書くことにしました。

 希死念慮とはただ漠然と死にたいと願ってしまう衝動のことです。「自殺願望」は借金苦や病気・人間関係など、解決できない問題から逃れる為に死を望んでいる状態の時に使う言葉で、希死念慮はそういう目的意識と直結していない場合です。

 感情は〝波の性質〟を有します。〝引き〟と〝寄せ〟です。なにもしなくても感情は勝手に引いて、勝手に寄ってくるのです。脳の正常な働きの1つであり、希死念慮はその典型例です。

 ストーカー行為の件で精神が不安定になった際、私は強い希死念慮を抱えてしまいました。通勤中、仕事中、在宅中など、状況を問わず突然死にたい気持ちがぶわっと胸のあたりから膨らむのです。

 この頃の私は希死念慮という単語も知らなかったのですが、これの対処法はすぐに理解できました。中学生の頃、いじめのことでどれだけ感情が乱れても、数日経てば感情が落ち着いたことをヒントにしたのです。死にたいという気持ちは自分の意思ではないので、強まっている時だけ気を紛らわし、波が強まらなくなるまで耐えることにしたのです。

 この時によく利用したのが某チェーン店の牛丼でした。もちろん大盛りです(笑) 肉と炭水化物をお腹一杯摂取して、そのあとなにもせず寝るんです。こうして私は数週間で希死念慮を解消しました。吉牛はたぶん福祉。

 最もお勧めしない方法が、我慢したり禁じたり、人に相談したりすることです。なぜなら、感情の波は拒むと次の波がより強くなってしまうからです。これは脳の正常な働きであり、希死念慮に限ったことではありません。ですから、その感情に構わず別のことをして無視するのが一番いいのです。後述するカリギュラ効果とも関係する話です。

 この脳の仕組みを知らないと、死にたい気持ちを自分の意思と誤認して自殺しちゃったり、精神科へ行って飲まなくてもいい薬を飲むことになります。

 〝脳は他人であり、その他人が自分の意思と混合する時がある〟と覚えておいてください。

 当事者さんに聞きますが、ケアレスミスやコミュ障の失言などの症状もそうですが、自分がやらかしたのは間違いないのに、やったのは自分じゃない気がする感覚、ありません?

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