自分の可能性を追求する為に、苦手な職種にも挑戦した

 症状を改善できたことで自信を持った私は、改善前なら考えられなかった職種の仕事に就くことにしました。それが営業職です。コミュニケーション力が絶望的だった私は常々、自分に営業系だけは絶対に無理だろうと思っていたのですが、どうしても挑戦してみたくなったのです。

 ショッピングモールのイベントブースでネット回線の契約申し込みを受けるキャッチから、オフィスでお申込み後の問い合わせを受けるサポート業務まで体験しました。

 うまくはできませんでした。勤め先がブラックだったことも理由の一つですが、それ以前に、言葉の内容ではなく、感情を主体に進める営業職の世界の話法が当時理解できなかったからです。言葉の内容に沿って受け答えする能力を求めていた私にとって、営業職はバグだらけのクソゲーのような世界でした。

 けど、この体験は自分の得意不得意を考える上で貴重な体験となりました。

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 発達障害者に「好き」を仕事にすることを推奨する声は多いですが、私はむしろ苦手を追求した方が良いと思っています。

 好きを仕事にすると必ず「好き」の部分で言語化が開拓されなくなり、自分にも周囲にも仕事が教えられない人になるからです。

 逆に苦手を仕事にすれば、習得の過程で否応なしに言語化できる幅が広がり、誰にでも仕事が教えられる人になれるのです。実際、私がいま人に教えられるほど得意なことの多くは、元々は苦手だったことなんです。

 

 この考え方を持っていると、難しいことを任された時にワクワクできますよ。

 まぁ苦手がいいと言っても、業務にならないレベルだと困りものなんですけどね。

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