尿膜管遺残症等病気—8ヶ月間の憂鬱 第1章「尿膜管遺残症の疑い~確定まで」

尿膜管嚢胞
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第1章 尿膜管遺残症の疑い~確定まで(2017年10月某日~)

 第1章は、へそに炎症を確認してから尿膜管遺残症が確定するまでのお話です。

第1話 にょうまくかんいざんしょう!?

2017年10月某日

 就寝前にへそに違和感を覚えて腹を見てみると、おへその中が真っ赤になっていた。見た目は火傷した後のような感じの赤さで、傷みはなかったが、へその周辺は若干熱がこもっているように感じた。

 私は子供の頃から軽度のアトピー持ちで、暴飲暴食したりお酒を飲んだりすると体のどこかに湿疹ができたりかぶれたりして痒くなる体質である。毛糸のセーターやマフラー、ジーパンやヒートテックを着ているだけでも肌が荒れてしまうほど私の皮膚は弱い。そんな私でも初めて見る症状だったので、一目でこれはヤッベと判断して、駅前にあるかかりつけの皮膚科診療所で診てもらうことにした。

原因は、この2週間ほど前にへそを指先の爪でひっかいてしまったことだろうと思った。私はアトピー体質のこともあって、お風呂の時は皮膚の状態を気にする。それでもいつもはへそまで気にしないのだが、その時はへその穴の縁に垢の塊かなにかがちょこんとついていたのを見つけて、指先で弾いて取ろうとした。それが雑なやり方だったせいで、へその中を爪の先でガリッとひっかく感じになってしまったのだ。血は出なかったが、爪が当たった瞬間はなかなかの痛みが走った。

2017年10月28日(土)

 診察にて、先生はばい菌が入った可能性を挙げ、細菌の活動を抑える抗生物質(セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg)と、塗り薬(アクアチム軟膏1%)が処方してくれた。視診のみで詳しい検査はしなかった。痛みがないこともあり、私もそれ以上の検査の必要性を感じなかった。

 それから一週間後、飲み薬を使い切った頃にはかなり良くなっていた。最初の炎症の強さを10とするなら2~3くらいには鎮まった。つまり完全には治らなかったわけだが、ピークは過ぎたと思い、あと自然治癒に任せることにした。薬は使い続けると耐性がついてしまうから一旦止めて様子を見ようかな、と。

 そのまま年末年始に突入。へそが炎症を起こしたことなんてすっかり忘れて過ごした。

 ここまでが、小説で言うところの「プロローグ」にあたる。

2018年1月4日(木)~

 正月三が日の休みが終わった仕事初めの朝。へそがちょっとだけ湿った状態になっていたが汁っ気は透明色だったこともあり、膿みではないと判断した。まだ治りきってなかったかな、と思いつつその日から塗り薬の塗布を再開した。

 これがなかなか回復に向かわず、一月半ばにはへその中で水滴状の透明な液体が水溜まり状態になっていた。塗り薬のせいで悪化してるような気もしたが、元々治りが遅い症状だったのでもう少し様子をみることにした。

 しかし29日の月曜、仕事から帰宅してへそを見てみると黄色い汁のようなものがへそとシャツに付着しており、えらいこっちゃということで、翌日の火曜日に改めて医者に診てもらうことにした。

2018年1月30日(火)

 診療所にて、

 1.へそは一旦治りかけたんです。

 2.でも正月明けにまた荒れてきたので塗り薬を再開しました。

 3.これが一向に治る気配がなくて、とうとう黄色い汁を確認しました。

 4.僕は死ぬんですか?

 と、今日までの経緯を先生に伝えた。

 へその状態を見た先生はちょっと焦った様子で話し始めた。この診療所には3~4年前から通っていて、いつも同じ塗り薬をもらうだけの簡単なやり取りだったから、そんな様子の先生を見たのは初めてだった。マジな話が来る気配を感じた。

 この時に告げられたのが、「尿膜管遺残症」という大変レアな病気の疑いがあるという診断だった。薬を変えて様子を見るが、ここまま治らなかった場合は詳しく検査をすることになり、やはり尿膜管遺残症である場合は、入院と手術が必要になるとのことだった。


〝尿膜管遺残症〟とは?

 本書をお読みの方は既にお調べになっているとは思いますが、一応簡単に説明しておきます。まず尿膜管とは、胎児の時にへその緒と膀胱を繋いでいる管のことで、通常は生まれたあと成長過程で退化していきます。でも稀にその管が残ったままになる人がいて、その状態を「尿膜管遺残症」と言います。その管が何らかの要因で炎症を起こしてしまうと、痛みと共に、へそから血が出たり臭いを放ったり膿んだりします。へそがそんな状態になっていたらすぐお医者様に見てもらいましょう。ちなみにこの病気になる人は100人に1人か2人と言われています。


第2話 風邪ひいた

2018年1月31日(水)

 新たに処方された抗生物質(ミノサイクリン塩酸塩カプセル100mg)と塗り薬(ゲンタマイシン塩酸塩軟膏0.1%)が効いているのか、昨日よりはへその炎症が鎮まっている気がした。汁らしきものも出ていない。このまま治ってくれることを願った。

 それよりも風邪をひいてしまったらしく、食欲はあるものの頭がふらつくので市販の風邪薬(パブロンゴールドA)を飲んだ。皮膚科の薬との併用可否は薬を受け取った薬局に電話して確認した。明日になっても調子がよくならなければ内科診療所に行くことにした。

 この風邪とへそ炎は関係ないと考えた。数日前から頬が熱っぽく、風邪の兆候はあったからだ。でも油断はできないと思った。

2018年2月1日(木)

 内科の診療所へ行き、風邪っぽいという話と尿膜管遺残症の疑いをかけられていることを伝えた。

 時期的に怪しいということでインフルエンザ検査を受けることになった。この時、鼻の中にブラシを突っ込む検査を生まれて初めやった。痛みとくすぐったい刺激が同時に来るので二度と受けたくないと思った。

 インフルエンザ検査は陰性だった。とは言え、とにかく酷い疲労感で仕事ができるコンディションではないので会社に休みの連絡を入れた。土日と合わせて四日間の静養期間を確保した。

2018年2月5日(月)

 仕事復帰。駐車場出入口での誘導業務を普段通りこなす。朝方はまだ喉の痛みが残っていたが、仕事をしてる内にほとんど気にならなくなった。

 へその方はあまり状態に変化が見られないが、少なくとも悪化はしていないようだった。へそ周辺の皮膚は服と擦れたせいなのか、あちこち傷がついてかぶれてるみたいになっていた。でも腫れたり膿んだりはしていない。

 まだ様子見するしかない。とりあえず痛みはないのでヨシということにした。早く治ってほしい。ネットで調べてみると、この病気はかなりの痛みを伴うらしいが……? 


第3話 へその洗いすぎ?

2018年2月10日(土)

 風邪は治った。でもへその方は、悪化はしていないようだけど回復に向かっているとも思えなかった。そんな中、へそ炎の原因と思わしきことが判明した。

 数日前にTwitterで「唇の乾燥荒れが治らない」という話をしたら、フォロワーから「唇の舐めすぎが原因では?」と言われた。それ以降、舐めるのを止めてみたら、2日目にして唇の乾燥荒れはかなり良くなった。明日か明後日にも治っているかもしれない。

 で、思ったのがへその件である。私は毎日、へそに石鹸の泡をつけて洗っていたのだ。

 私は子供の頃から皮膚が弱く常に体のどこかが荒れていた。それが中学生の頃、なにかのテレビ番組で「皮膚が荒れやすい人は体をゴシゴシ洗わないように」とか言っていたのを聞いて実際にそうしてみたら、湿疹やかぶれの頻度がとても下がった。あれは本当に嬉しかった。それ以降体を強く洗わないようにしてきたのだが、今回は爪でひっかいてしまった後、(ばい菌が入ったら駄目だから)と、泡立てた石鹸を指につけてへそを撫でるように洗ったのだ。薬をもらってからも塗布した軟膏を洗い落とす為、風呂に入った時はへそを丹念に洗い続けていた。

 よくよく考えてみると、今の私のへその状態は荒れまくっていた唇と同じ状態である。実際、荒れている部分は石鹸で念入りに洗っている部分だった。

 皮膚があかぎれの様に裂けている部分はちょっと痛い。その痛みのせいか、今日は一日中へそに違和感があって、全身もぞもぞする感覚がこれを書いている今も続いている。へそを常に触られている感じなのだ。今日からお湯で軽く流すだけにしようと思う。

2018年2月14日(水)

 今日の現場は午後からだったので、午前中に皮膚科診療所へ寄った。その診察で先生にへそを洗っていたことを話してみた。

 1.石鹸の泡をつけてへそを洗い続けていたこと

 2.土曜の夜からシャワーのお湯を当てるだけにしたこと

 3.その後、体のむずむず感はなくなったこと

 4.変色したへその色も元に戻ってきた気がすること

 先生は「あぁ、そういう方います~」という軽い反応をしつつも、今後も洗わないようにと指示をした。

 薬は前回と同じものをもう一度もらった。今まで治療しつつ自分で悪化させてたようなものだから、治療のやり直し的な流れである。

 今のところ痛みもないし薬のせいで悪化してる感じもないから、薬は合っていると思う。これで治ってほしいと思う。

2018年2月28日(水)

 月曜にまた診療所に行ってへそが蒸れることを相談した。警備士という仕事は制服を着なくちゃいけないし、今の季節はその上に防寒着も装備する。だからどうしても服の中が蒸してしまうのだ。へその炎症が喜びそうな環境である。その解決策としてガーゼを当てるように言われた。

 先生には話さなかったが、実は治療開始当初は自分の判断でガーゼを当てていた。でもすぐやめた。なぜかというと、ガーゼを交換する時に一緒に剥がしたテープが、腹の皮膚ごと剥がしてしまったからだ。剥がれた皮膚の範囲はちょっとだけだったから別に痛みはなかったし、何か困ったというわけではなかったのだが、ガーゼを当てるのは炎症がもう少し治ってからにしようと思ってやめたのだ。

 今日はガーゼを再開してから3日目。驚くほど良くなってきている。妻にも見せたが、一目で炎症が引いてきているのがわかるようだ。

 これでダメなら大きな病院へ行くことになっていたが、この調子ならその必要もなさそうだ。ふふん。


第4話 軟膏の塗りすぎ?

2018年3月6日(火)

 前回の診察から一週間経った。ガーゼを使うようになったお陰で回復に向かうかと思えたが、ちょっと良くなっただけだった。「やっぱ駄目かもしんないな」という諦めが膨らんでくる。

 無自覚に悪化させてしまうようなことをしていないか? と考えた。そこで思ったのが、薬を塗る回数である。1日1回の指示だったが、2~3回塗布していることが今更気になった。一応これには理由があり、へその切り傷から黄色い膿みが出るので、朝と帰宅時に消毒液で拭いてるのだが、塗布した薬を拭き落とすことになるので、新たに塗り直していたというわけなのだか。

(これが原因か? つまり、塗りすぎ? 俺はアホなのか?)

 そう思った目で患部を見てみる。そもそも治ってきている状態に厚塗りしている。軟膏がギラギラヌメヌメして適量という感じがしない。今までいろんな皮膚の薬塗ってきたけどこんな状態になったことはない。

 傷はまだ治っていないが、次の診察までは軟膏を塗布する回数を1日1回だけにして様子を見ようと思う。


第5話 心が折れた。総合病院とCT検査

2018年3月12日(月)

 3日前の9日金曜夜。シャワーから出た後、膿みが染み出すへそを見ていたら、心が折れてしまった。「あぁ、治らないなこりゃ……」と。

 翌日10日土曜、会社に電話をして月曜と火曜を休みにしてもらった。これは月曜に診察へ行く為であるのと、最悪の場合その日から入院となるかもしれないから火曜も休みにしておいたのだ。仕事に出れるならまた電話して休日希望を取り消しにすればいい。うちの会社はシフト申請式だからその辺の融通が利く。

◇ ◇

 そして今日12日。まず午前中にいつもの皮膚科へ行き、やはり治りそうにない旨を伝え、総合病院での詳細な検査を希望した。行く前に電話しておいたおかげで紹介状はすぐに出てきた。

 診療所を出た時点で10時20分。隣町の総合病院へ行くことになったが、初診受付が11時までらしいので大急ぎで駅に向かった。駅まで走って5分、電車で駅1つ、そこから徒歩10分。なんとか10時40分頃に総合病院に到着。こういう大きな病院へ来るのは24歳の時に発達障害の診察を受けに行った時以来だった。

 初診受付用の用紙に病状を記入し、ベンチで呼ばれるのを待った。その後、消化器内科の受付に案内された。皮膚科じゃなかったことにちょっと戸惑う。そこでまた30分ほど待っていると、今度は消化器内科の先生が「泌尿器科の方で診た方がいい」と判断したらしく、看護師さんの案内でまた移動することになった。早速、大きな病院あるあるのたらい回しを食らう。

◇ ◇

 泌尿器科の方でまた待たされ、やっと呼ばれたのは30分後。診察室にいた先生は見た目20代くらいにみえる若い先生だった。先生は初診受付時に書いた用紙と私が家で作成した今日までの経過をまとめた紙に目を通した。細々とした話は特になく、とりあえずへそを診せることになった。

 触診で「痛みはありますか?」と聞かれたが、特に痛みはなかったのでそのように答えた。触診は1分とかからず終わった。先生がパソコンの操作に戻ったので、「見た感じでどうですか、怪しいですか?」と聞くと、先生は「そうですね」と頷いた。

 ネット調べで得た情報通り、CT検査とMRI検査をやることになった。ただ、CT検査は今日ここで受けられるが、MRIはこの病院の設備だと予約の関係で一ヵ月以上先となってしまうので、MRI検査専用の診療所を紹介された。自分で予約して検査を受けに行くらしい。

 診察の後はまた移動。CT検査の受付に行って、人生初のCT検査を受けた。でかいドーナツの中に体を通す。あとはじっと寝てるだけ。これで体の内部を診られるってのはなんとも言えない気持ちになる。

 CT検査の後はそのまま会計。6,100円もかかった。げんなり。

◇ ◇

 次回は19日(月)に別の病院でMRI検査を受け、28日(水)にまたここで再診察という流れだ。

 その時にCTとMRIの結果をみて、投薬治療かやはり手術か、そういう判断をするらしい。あと、検査結果の内容次第では内視鏡検査をすることになるようだ。その入口がなんと尿道だと……。

 尿膜管と膀胱が今も繋がっていた場合、膀胱の内側にまで炎症が広がっているかもしれないし、穴が開いてるとなれば、手術の時に塞がなければいけない。そういう判断をする為に事前検査するらしい。「そういうのは、手術の全身麻酔で僕の意識がない時にやればいいんじゃないですか……」と願う気持ちで言ったが、先生は「いえ、手術の前に診ましょう」と眼鏡を光らせながら言った。まぁ手術中にしなくてもいいことは手術前に済ませるべきだよね。わかってるよ! うわーん!

 とりあえず、即日入院手術みたいにならなくて安心した。

 しかし…………あのね僕、手術の覚悟はしていたけど、尿道から内視鏡入れられる覚悟はしてなかったよ…………誰かかわってくれ。本気で、かわってくれ。あぁぁぁあぁぁあああぁぁぁ…………。


第6話 MRI検査

2018年3月19日(月)

 今日は午前中に障害者手帳の更新手続きをして16時からMRI検査を受けた。検査前の6時間は水とお茶だけしか腹に入れてはいけないので、10時になる直前にコンビニでおにぎりとお茶を買って腹に入れた。

 その後、何の気なしにMRI検査の予約票に目を通したら、お茶がダメなものの中に含まれていたので、念の為にクリニックへ電話して確認した。ちょっとだけなら大丈夫と言われてほっとしたけど、内心はイラっとした。というのも、数日前の予約の電話の時に「水だけ」と言われたか「水とお茶だけ」と言われたか、どっちだったかうろ覚えになってしまったので、クリニックのホームページで確認すると、「水とお茶は可」と書いてあった。だからコンビニでおにぎりとお茶を買ったわけだが、予約票の方には小さな字で、お茶などカフェインを含む飲料水は駄目と書いてあったのだよ。どっちやねんと。

◇ ◇

 予約は16時からだったが、今日は気温が低く寒かったせいか足が早まってしまい、15時には着いてしまった。問診票を書いてベンチでひたすら待つ。1時間半くらいしてからやっと呼ばれて、ちょっとだけ問診を受けたあと検査室へ向かった。

 まず別室の更衣室で上はシャツ一枚、下はクリニック側から渡されたパジャマに着替えた。メガネや時計も全て外した。それから検査室へ入った。そこにはテレビやネットの画像でしか見たことがなかったでっかい筒状のマシーンがあった。(おぉ、これが……)と圧倒される。戦っても勝てそうにない。体内から自分も知らなかった金属とか飛び出たらどうしようとか、根拠のない不安が膨らんだ。

 医者の指示でMRI装置のベッドの上で横になり、巻きつけるタイプの検査装置を腹に巻かれて、クラシック音楽が流れるヘッドホンを装着した。

 この時の医者の説明と注意はこうだった。

・これからものすごく大きな音が鳴り続けます。

・30分横になったままで、動いてはいけないし、寝てもいけません。

・手は胸の上で、なるべく鼻から呼吸をして、お腹を動かさないように。

・(ナースコールみたいなケーブルを渡されて)気分が悪くなったら先端のスイッチを押してください。

 そのあとMRI検査が始まった。

 これが本っ当にしんどかった。

 ビーーーーーー! とか、ブーーーーーー! とか、警報のような爆音が延々と鳴り続ける筒の中で30分、ただじっとしているだけなのだ。終わった時は、人の手の中に閉じ込められて弱り切った昆虫の気持ちになってしまった。ヘッドホンのクラシックも音量MAXだったと思うが、気休めにしかならなかった。ネットで検索するとこの音が聞ける動画がいくつか出てくる※ので、興味のある人は調べてみてほしい。※検索ワードは〝MRI検査 音〟など

 検査の前に閉所恐怖症じゃないかどうかをしつこく聞かれたが、音もかなり酷いので、爆音恐怖症のことも聞いた方がいいと思った。

 MRI検査の後は着替えて会計をして終了。検査費用は8,000円(涙) CT検査も高かったが、検査費用の出費がとにかく痛い。貯蓄もなくカツカツで生活をやりくりしてる人は金策が大変だろう。

 次の診察は28日。

 CTとMRIの検査結果が揃う、運命の日……。

 はぁ、尿道から内視鏡……嫌だああぁぁああああぁぁぁぁぁ…………。


第7話 検査結果が揃った日

2018年3月28日(水)

 今日はCTとMRIの検査結果が揃う日だ。入院と手術の話を聞く可能性もあるので、念の為、妻にも付き添ってもらった。やはり手術となれば、家族で挑む初の苦難である。

 予約は12時からだったが、出るのが早すぎたせいで11時10分過ぎに着いてしまい、受付のあとは90分ほどベンチで時間を潰すことになった。診察室に呼ばれた頃には眠気MAXでくたくたのふらふらだった。

 診察室で、先生はCTとMRIの検査画像を見せながら私のお腹の状態を解説した。なになに、「ここに写っている管が通常は消えているはずで……」と。……ん? その消えてるはずの管を指して説明しているということは、アウトってこと?

 そう、アウトだった!

 尿膜管遺残症、確定である!

 更に、尿膜管が膀胱と繋がっており、膀胱の内側から穴が開いている可能性があるので、やはり見ましょうとのこと。

 これにて、尿道から内視鏡検査も確定ッ! くぁwせdrftgyふじこlp

◇ ◇

 現状はへそ周辺に膿みがこびりく程度で、炎症自体はまだ軽い方という認識でいいらしい。でもこれが酷くなると、痛みや熱が出てくるようだ。尿膜管遺残症自体は悪い病気ではないが、放っておくと癌のもとになるし、膿みは出続けるから、やはり手術したほうがいいとのこと。手術は任意らしいが、これを断る奴はいないだろう。

 病気の説明が終わった後、今後の流れも一気に決まった。

 4月5日に入院と手術に伴う健康診断。尿道から内視鏡入れるのもこの日。

 4月11日に手術と入院の説明。

 そして5月16日に入院、5月17日に手術だ。


尿膜管遺残症等病気—8ヶ月間の憂鬱 第2章「尿膜管遺残症確定~入院まで」
第2章 尿膜管遺残症確定~入院まで(2018年4月5日~)  第2章は尿膜管遺残症確定から入院までのお話です。へその炎症を確認した前年の10月から5〜6ヶ月も経っています。  確定後は、入院と手術に向けて数々の検査、説明、書類記入が待ち受け
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